裁判内容まとめの最近のブログ記事

1審判決です

1審判決が出ました。

主文 

原告の請求をいずれも棄却する。
訟費用は原告の負担とする。

という、敗訴判決です。


判決内容はもちろん不満なのですが、それ以前に、こちらの主張をきちんと検討しておらず、なんらの規範性も示さず、個別具体的な検討もしないで、こんな薄い判決にされたこと自体が大変残念です。

JCO事故のことを引用して、徹頭徹尾JOC事故と書いていたり、他にも恥ずかしい誤記がありる判決です。
本当にちゃんと検討していただけたのか、疑問が残ります。

突っ込みどころはいろいろありますが、全体としては、私には、国が大丈夫だと言ったのだから、当時も大丈夫だったのだ。結果もオーライだしとやかく言うな、というようにしか読めません。

そして「地方公共団体による放射線量の検査と、一個人の被ばく回避行動とはその目的及び必要性が異なる」のだそうです。となると地方公共団体による放射線量の検査は、住民が被ばく回避行動をとれるようにする目的と必要性によって実施しているのではない、ということになりますが。。。どういう目的なのでしょうか?

なんか、、、、「いつか来た道」の時代の空気感を感じてしまいます。


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当裁判の傍聴記をUPしていただきました。

こちらです。
http://blog.a902.net/topics/2014/0130.html

傍聴と傍聴記、ありがとうございました。

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10月29日の準備書面をアップしました

今回提出したのは準備書面(9)です。準備書面だけで74ページあります。
のほかに、莫大な証拠を提出しました。

今回の準備書面の第1の部分は、原子力災害対策特別措置法という法律に関する議論をしています。この部分を書くために団長の紀藤弁護士が3日貫徹したという力作です。

この法律は事故後に改正されて、事故時点での条文がなかなか見つからず、その点でも苦労したとのことです。備書面に引用されている条文によると、
原子力災害対策特別措置法
第1条 この法律は(中略)国民の生命、身体および財産を保護することを目的とする。
第3条 原子力事業者は、原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の拡大の防止、および原子力災害の復旧に関し、誠意をもって必要な措置を講ずる責務を有する。

となっています。
第4条では、国の責務も規定されています。
国と東電は、原子力災害の復旧に誠意をもって必要な措置を講じてほしいものです。
国と東電がしていることを見ると、まさか、、、国民を「もう大丈夫だ」と信じさせることを復旧と定義しているのではないのか、と思いたくなるところですが。

当準備書面の第2、第3では、50ページ以上を費やして、2011年3月の間だけでも、どれだけ東電と国が国民をだましてきたか、これでもか、というほど論じています。事故からすでに2年半経過し、あの当時のことの記憶が薄れてきていますが、読み返すと改めて本当にひどい状況だったことが思い出されます。

弁護団長は、法理論的には勝てるところまできた、と述べています。
しかし、請求の認諾(当方の勝訴)判決を書くには現実には「勇気」がいります。
裁判所に勇気を与えるためにも、傍聴をお願いします。
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平成25年2月22日期日

被告(東電)は、以下の書面を提出しました。


以前からの経緯がわからないと、読みにくい資料ですが、全般的に逃げに終始した消極的な反論という印象です。
いつか、論点を整理してUPしたいと思います。

素人ながら、取り急ぎ思いつきで以下気になったことを付記します。

乙第12号証p9-p10の、「年間20ミリシーベルト被ばくすると仮定した場合の健康リスクは、例えば他の発がん要因(喫煙、肥満、野菜不足等)によるリスクと比べても低いこと、放射線防護措置に伴うリスク(避難によるストレス、屋外活動を避ける事による運動不足等)と比べられる程度であると考えられる」という文章を何回か引用していますが、そもそも、被ばくと、放射線防護措置に伴うリスク(避難によるストレス、屋外活動を避ける事による運動不足等)のリスクを比較しなければならないのか、不思議でなりません。
どちらも、被告がもたらした災難であって「俺があんたを殴って怪我させたかもしれないが、あの状況で俺のパンチを避けていたら溝に落ちていたのでどうせ怪我をしたのだから同じだ」というような論理に思えます。


「本件事故以前には,原発のような大規模原子炉の爆発はチェルノブイリ原発事故以外になかった。従って,1号機爆発は,本件事故が人類史上2番目の規模に進展したことを誰の目にも明らかにするものであった。」という原告の主張を不知と主張するのは、裁判技術上普通のことなのかもしれませんが、なんとも複雑な思いがします。


被告準備書面2の4(7)ウで述べた「4号機の原子炉建屋の補強工事は、燃料プールの安全性に問題があったからではなく、燃料プール底部の耐震性をより高めることを目的としたものである。」を再度主張していますが、では安全性に問題がないならなぜ耐震性を「より高める」必要があったのでしょう?


「使用済み燃料は取り出し後数年間は大量の熱を発生するので冷却し続ける必要があり,冷却しないと炉心と同様に溶融する。この場合,炉心溶融と同様に,大量の放射性物質が放出される。しかも,燃料プールには炉心を超える大量の燃料が保管されていた上,圧力容器も格納容器もなく,防護壁となりうるのは原子炉建屋のみであるところ,4号機建屋の壁は爆発で大破していたのだから,燃料プールは環境に露出していた。」という原告の主張に対して、「不知ないし争う」と主張するのは、本気であれば原子炉の原理を理解していないのではないかと思ってしまいます。


結論として、「原告の主張する不安感や心労は本件事故と相当因果関係があるということはできない」と主張しています。

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東電から準備書面が出ません

前回の期日では、次回(2月22日)は、東電側が準備書面を1月末までに提出することが決まったはずなのですが、今のところ提出されていません。

そういえば、簡易裁判所で一人で裁判している時も、期日までに反論する(反論の準備書面を出す)から、そこで結審にしてほしいと主張していたにもかかわらず、期日に準備書面を出さなかったということがありました。

被告が約束守らなかった(反論を放棄した)のだからここで結審してほしいと裁判長に言ったのですが、それ以降逆風が強まり(強まった印象が高まり、もう戦えないと思い紀藤弁護士にお願いするに至ったのでした。
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平成24年12月7日期日

原告準備書面(7) と大量(キャリーバック2台分)の証拠(証拠説明書) を提出しました。

準備書面7の要旨は、被告(東京電力)が提出した 乙12号証と 乙13号証総務省サイトにあるもの) への反論です。

乙第12号証が欺瞞に満ちた文書であること
  • 意図的と思われる「誤訳」
  • 引用されていない主要論文など
統計学的研究の問題点

第12号証を前提とした乙第13号証の不当性
  • 判例上もLNT仮説が使われていること

不安感の根拠

などを立証しました。


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被告(東電)の準備書面

9月21日に陳述された被告東京電力の準備書面です。


乙13号証は、ある人が公害として公害等調整委員会に裁定を求めた決定書ですが、つっこみどころ満載です(特に33ページ以降)

弁護団のある弁護士先生によれば、(この資料が)「クズすぎ」、ということです。

読むとむかつくことが多いのですが、私としては

①マスクを着用したり、西日本に避難した人が少なからず存在した
->しかし、本件事故と相当因果案系がある損害ではない

②国民の間で大規模な原子力事故に対する不安が高まっていた 
 &原発は危機的な状況にあった
->しかし、政府は東京都民に避難指示をしていたわけではないし、メディアの報道も東京都民に自主避難やマスク着用を呼びかけていたわけではない。

③わずかでも環境中の放射線量が上昇すること自体が、平穏な生活を害するものであると主張するが、その主張は直線閾値なしモデルを唯一のよりどころとするものであって、採用することはできない。

など、何とも納得できない裁定です。

ちなみにこの委員長は元札幌高裁所長です。
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平成23年2月16日

今回は、原告がTepco準備書面(3) 平成24年2月15日.pdf を提出しました。

弁護団の藤田弁護士が、簡単に請求の趣旨を法廷で述べました。

要旨

本件の本質は、憲法上、「放射能汚染のない環境において生活できる権利」が広く保護されるべきであり、それが侵害されたことである(上記準備書面(3)p5)

日本国憲法においても、「放射能汚染ヶのない環境において生活する権利」が憲法13条および25条によって保証されている。(上記準備書面(3) p33, p34を要約)


次回までに原告は、主張の詰めを行うこと
被告は、事故発生までの事実関係の認否を行うこと

が裁判長より指示されました。


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東京地方裁判所に移送が決定しました

平成23年10月3日、東京簡易裁判所において、今回結成された弁護団から提出された移送意見書.PDFにより、本件裁判は東京地方裁判所に移送となりました。

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